プロジェクトチームの役割

プロジェクトチームの役割とメンバー構成

ポイント
  • ・本格的な導入には強力な権限を持ち、導入推進に責任を負うプロジェクトチームが必要
  • ・プロジェクトチームのメンバーは社内関連部門から広く集める

テレワークの本格的な導入にあたっては、強い権限を持ち、導入推進に責任を負ったプロジェクトチームが必要です。そのためプロジェクトチームのメンバーには、企業のトップマネジメントの一員である役員クラスをチームリーダーとして配置することが望ましいといえます。さらにコアメンバーとしては、企業の経営方針の策定に携わる経営企画部門、労働協約、就業規則、人事評価システムなどを管理する人事・労務部門、情報通信システムを管理運営する情報通信部門、及びテレワーク導入を想定している部門の代表などを集めることが望まれます。また労働組合がある場合には、テレワーク導入を検討している初期の段階から、よくコミュニケーションをとり、労使双方の間で、テレワーク導入についての共通認識を十分に図っていくことが肝要です。

メンバー部門 チームでの役割 備考
トップマネジメント チームの指揮統括 チームリーダー
経営企画部門 会社にとっての導入メリットの評価導入コストの評価 コアメンバー
人事・労務部門 就業規則等社内ルールの整備コアメンバー コアメンバー
情報通信部門 情報通信システムの整備セキュリティポリシーの整備 コアメンバー
導入対象部門 業務プロセスの点検整理導入上の課題の洗い出し コアメンバー
広報部門 社内周知の支援、社外への広報 随時メンバー
その他 特定の必要事項 随時メンバー

導入目的の明確化

ポイント
  • ・テレワーク導入の目的を明確にし、共通理解を確立する
  • ・テレワークは、関係者全てにメリットがあるWin-Win の施策である

企業にとってテレワーク導入の究極的な目的は、企業価値の向上ということになります。実際の導入にあたっては、企業の理念や経営方針に照らして、また、企業の組織体制・体質との相性を考慮して、より具体的な目標を定める必要があります。

導入目的の明確化

テレワーク導入の経営判断に先立って、主要な関係者の共通理解を確立しておかないと、導入の際あるいは導入後に問題を生じる可能性が高くなります。したがって、導入の動機となる目的は異なっても、テレワークは経営者、ミドルマネジメント、オフィスワーカーそれぞれにメリットがあるWin-Win の施策であることを説明して、テレワークについての共通の理解を培わなければなりません。例えば、顧客満足度の改善を理由に導入するとしても、結果的には直行直帰による通勤時間の減少でワーク・ライフ・バランスの向上も同時に実現されるでしょうし、通勤困難者のために導入しても、コスト削減や優秀な人材の確保も実現されます。ミドルマネジメントにとっても、マネージャーとしてのスキルが向上し、プロとしてのマネージャーのスキルを身につけることができ、また、マネージャー自身がテレワークを行うことによってオフィスワーカーと同じようにワーク・ライフ・バランスの向上を図ることが可能となるなどのメリットがあります。

導入範囲、頻度、業務計画等の設定(在宅勤務)

ポイント
  • ・幅広い部門での導入を検討する
  • ・テレワーク対象者を限定する場合には、その基準を公開する
  • ・大規模なテレワーク導入の場合は、全員を参加対象とするが、業務や個人の技量・環境等に応じて柔軟に対応する

【在宅勤務におけるテレワーク導入範囲】

在宅勤務の導入は、一般的なオフィスワークであれば幅広い部門で可能です。よって、全社を対象として導入することが望ましい形となります。しかし、全従業員あるいは部門の従業員全員を対象に導入する場合でも、まだ単独で仕事ができないような新入社員や職務経験の浅い従業員にまで適用することは適当ではありません。また、希望しない人や自宅に適切な執務環境を確保できない人にまで在宅勤務を強制するべきではありません。

【在宅勤務における実施頻度】

在宅勤務の実施頻度は、テレワークの導入目的によって、あるいは導入の段階によって異なると考えられます。一般的には、週当たり、あるいは月当たりの上限回数を定めますが、常時テレワークでは下限回数を定める場合もあります。特に、オフィスコスト削減のためには、常時テレワークの大規模導入が効果的です。

【在宅勤務における業務計画と管理】

業務計画と在宅勤務者の管理については、テレワークの導入時にテレワーカーとマネージャーとの間で合意しておく事柄ですが、実際にはテレワークを始めてからも定期的に見直しを行う必要があります。

常時テレワークの場合には、原則として全ての業務をテレワークで行い、どうしても対面のコミュニケーションが必要な業務を例外的にオフィスに出勤して行います。
一方、随時テレワークの場合には、勤務時間の半分程度以下の時間をテレワークで仕事を行うものと想定されます。このため、電話や来客で中断されたくないような仕事や、集中力・創造力が必要な仕事など、テレワークに適した仕事と、頻繁な打合せ・調整を必要とするような仕事や、対面接触が必須であるような仕事など、オフィスで行うことが適切な仕事をうまく配分して、業務計画を立てる必要があります。

導入範囲、頻度、業務計画等の設定(モバイル勤務)

ポイント
  • ・情報通信機器を活用したコミュニケーションと、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションをうまく組み合わせる

【モバイル勤務におけるテレワーク導入範囲】

モバイル勤務は、基本的に外勤型テレワーカーが対象ですから、全社一斉に導入というケースは稀で、通常は営業部門や保守サービス部門で導入されるものと考えられます。

【モバイル勤務における実施頻度】

モバイル勤務は、一度導入されればその勤務形態が常態となることが多いため、実施頻度という概念はあてはまりません。常時モバイル勤務となります。

【モバイル勤務における業務計画と管理】

モバイル勤務の場合、もともと社外で業務を行うわけですから業務計画そのものは、テレワークの導入前後で大きな違いはないものと考えられます。ただし、出社・退社時に本来のオフィスに立ち寄らない直行直帰の通勤形態が多くなるでしょうから、情報通信システムをうまく活用してマネージャーや同僚との情報共有や報告・連絡の密度を適切に維持する必要があります。時には、オフィス勤務者とのフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションも必要ですから、定期的にセンターオフィスへの立ち寄りを計画に入れるのが良いと言えます。

ワークフローの見直し

ポイント
  • ・テレワークの導入には、ワークフローの見直しが重要なキーとなる
  • ・テレワークに適していないと思われている業務でも、ワークフローやプロセスの見直しを行うことによって、テレワークに適した業務を抽出することが可能である

情報通信技術の発展により、テレワークで実施可能な業務の範囲は拡大しつつあり、通常のデスクワークであれば、大部分の作業がテレワークでも可能となっています。ただし、業務の内容によっては、オフィスで共同作業を行う方が効率的であったり、対面応対が必要であったりしますから、テレワークで行う業務の切り分けが必要となります。

切り分けた業務を、個々のオフィスワーカーの担当業務を変えずに実施しようとすると、テレワークに適した業務はテレワークで、それ以外はセンターオフィスで行う、随時テレワークとなります。
さらに、テレワークを行う上で障害となりそうなプロセスは、よりテレワークに適した代替案に置き換えたり、オフィスワーカー間の業務の分担を見直したりすることで、常時テレワークの導入も可能になる場合があります。代替プロセスの例としては、業務の一部のコンピュータ化、あるいはアウトソーシングなどが考えられます。

ワークフローの見直し

テレワーク・ポリシーの策定

ポイント
  • 「テレワーク・ポリシー」を策定し、テレワーク導入についての社内の意思統一を確立する

テレワークの導入・運用を円滑に進めるためには、トップマネジメント、ミドルマネジメントそして、オフィスワーカーがテレワークという働き方を理解した上で、組織として明確な目的を持って導入を図ることが重要です。どのような目的を主眼に置くかは企業によって異なるでしょうが、テレワークそのものはトップマネジメント、ミドルマネジメント、オフィスワーカーの3 者にとってメリットのある Win-Win の関係を構築できる働き方です

テレワークの効果(Win-Winの関係)
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