テレワークのICTとセキュリティ対策

テレワークで必要となる ICT 設備の概念

ポイント
  • ・テレワーカーがオフィス以外で仕事をする際でもオフィスにいる場合と同じ環境を整備する
  • ・テレワーカーからの接続が安全に行えるようネットワークのセキュリティ環境を整備する

企業においては、パソコンなどを単体で使うのではなくネットワークに接続し、資料や情報を共有して有効に活用しています。また、リアルタイムメッセージング(以下「チャット」と表記)や電子メールなどを使用して円滑なコミュニケーションを実現しています。ただ、問題点はこのようなICT(情報通信技術)を使用できる場所が自分の勤める会社の自分の席に限定される、すなわち、そのネットワークに接続できる場所に行かないとICTの利便性が得られないという点にあります。したがって『場所にとらわれない働き方』であるテレワークを実現するためには『どこにいても会社の自席にいる場合と同様の仕事環境が得られる』という状況をICT によって構築する必要があります。

テレワークのICT

これは現在の技術ではそれほど難しいことではなく、会社のネットワークに対してインターネットや携帯電話網などからアクセスできるようにすることで、ほぼ実現が可能です。ただし、企業や個人の情報セキュリティの保護のために、 ファイアーウォールやVPN 装置などに代表されるセキュリティ設備を導入して『アクセスが許された人のみ』が、『安心して使用できる端末』で、『安全な経路』を通ってアクセスできる環境を構築することが重要です。

テレワークは場所にとらわれずに柔軟に働く働き方ですが、場所にとらわれないということは自宅や外出先などのオフィス以外の場所で上司や同僚と顔をあわせずに仕事をする時間が増えるということでもあります。この状況はコミュニケーションの不足による業務効率の低下、疎外感、評価に対する漠然とした不安などを招く可能性もあります。

テレワークのICT

このコミュニケーションに関する課題の解決にもICT を活用することが有効です。コミュニケーション課題解決のICT 設備としては、従来からの電話、電子メール、チャットなどに加えて、表情やニュアンスなど文章や音声だけでは伝わりづらいコミュニケーションを確保する『テレビ電話・会議』、離れた場所にいるコンタクトしたい相手の状態を確認する『プレゼンス情報』、端末の画面やファイルなどを共有し、リアルタイムの共同作業を可能にする『Web 会議』などがあります。また、これらのコミュニケーションツールを1 対1 だけではなく、複数の関係者がリアルタイムに簡単に遠隔地から利用できるかなどの要件を検討していく必要があります。

テレワーク実現ネットワーク概念図

セキュリティの確保

ポイント
  • ・外部からのアクセスは許された人のみが可能
  • ・セキュリティポリシーに応じてテレワーカーが使用する端末の種類を選択する
  • ・アクセスしてくる端末の状態を確認する

テレワーク環境を実現するには、インターネットなどの公衆回線への接続によってオフィス以外の場所から会社のネットワークへのアクセスを可能にする必要があります。その際には、不正アクセスやコンピュータウイルス等の不正プログラムなどの脅威に対しての対策が重要となります。

セキュリティの確保

平成18 年4 月に総務省から発表された「テレワークセキュリティガイドライン(第2版)」には、情報セキュリティ対策を行うにあたり、企業などの組織が重要視すべきことは、「情報資産を洗い出し、どのような脅威や脆弱性、リスクがあるのか十分に把握、認識した上で、体系的な対策を実施すること」とされており、「ルール」、「人」、「技術」という3 つの情報セキュリティ対策をバランスよく保つことが示されています。

テレワーク環境で実施すべき対策一覧
分類 対策方法 内容
不正アクセス対策 ファイアーウォール導入 社内ネットワークと外部との境界を設定
不正アクセス対策 * IPS / IDS 導入 不正アクセスの進入検知もしくは排除
不正アクセス対策
データ盗聴、改ざんの防止
VPN 等導入 許可された者が外部から社内ネットワークにアクセスする際の認証および通信経路上でのデータの暗号化
端末管理情報漏えい対策 ウィルス対策ソフトウェアの導入 コンピュータウイルスの感染防止、駆除、被害拡大の防御
端末管理情報漏えい対策 ・シンクライアントなどの端末の種類検討
・端末操作制御ソフトウェアの導入
端末へのデータ保存や USB デバイスなどの外部記憶媒体への書き出しを制限
端末管理 検疫システムの導入 アクセスしてくる端末のセキュリティレベルの維持

* IPS : Intrusion Prevention System(侵入防止システム)
IDS : Intrusion Detection System(侵入検知システム)

コミュニケーションの充実

ポイント
  • ・コミュニケーションツールの活用によりテレワーク適用の幅を広げることが可能
  • ・ツールはアイコンなどで使いやすく連携を容易にすることが重要

テレワークにおいてはオフィス以外の場所で仕事を行うためコミュニケーションの確保が重要な要素になります。この離れた場所同士でのコミュニケーションを確立するためのツールとして、電話、電子メール、チャット、テレビ会議、WEB 会議などを状況に応じて柔軟に使用していくことが重要です。

コミュニケーションを充実させるツール例
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