「看護師が企業で働くなら、どんな仕事があるんだろう。」
「看護師が企業で働くメリットやデメリットを知りたい。」
「看護師が企業への転職を成功させるには?」
このような看護師さんのお悩みに答えるため、本記事では次のことを解説しています。
- 企業で働く看護師の職種
- 企業で働く看護師のメリット7つ
- 企業で働く看護師のデメリット3つ
- 看護師が企業への転職を成功させる3つのコツ
看護師の職場といえは病院のイメージが強いかもしれません。しかし、なかには一般企業で活躍している看護師もたくさんいます。ぜひ本記事を読み、看護師免許を活かして企業で働くことを考えてみてください。
企業で働く看護師の職種
まずは、企業で働く看護師の職種にはどのようなものがあるのかを紹介していきます。企業で働く看護師の職種はいろいろありますが、主な職種は以下の5つです。
- 産業看護師
- 治験コーディネーター
- イベントナース
- 心理カウンセラー
- フィールドナース
それぞれ順番に紹介していきます。
産業看護師
産業看護師とは、企業で働く従業員の健康に関する業務を行う仕事です。具体的な仕事内容としては、以下のようなものがあります。
- 従業員の健康相談
- メンタルケア、面談業務
- 業務中の体調不良やケガの応急処置
- 健康診断の準備や実施
- 定期的な保健指導
企業にある保健室のようなイメージです。企業で働きたい看護師からは大変人気のある職業ですが、求人数はあまり多くありません。また保健師資格を持っている方を優先して採用する傾向があり、産業保健師として募集されています。人気の職業であるため、かなりハードルは高めです。
治験コーディネーター
治験コーディネーターとは、新薬を試す被験者と製薬会社の間に入り、治験がスムーズに進行できるようにサポートする仕事です。Clinical Research Coordinatorの略で「CRC」とも呼ばれます。治験施設支援機関(SMO)に所属し、医療機関で医師などの院内スタッフや被験者と関わりながら業務にあたるため、現場での看護師経験をいかせる場面も多いです。具体的な仕事内容はこちらになります。
- 治験データの管理
- 被験者のサポート、状態観察
- 製薬会社と医療機関の連絡係
- 治験スケジュールの管理
看護師として医療的な目線で介入する力と共に、書類作成などの事務作業の力も求められます。看護師の仕事が好きで、パソコン作業にも慣れているという看護師さんには特におすすめです。
イベントナース
イベントナースとは、野外で行われるコンサートやイベント会場に設置される救護室の看護業務をする仕事です。正社員としての雇用は少なく、一般的には非常勤、アルバイト、派遣、といった雇用形態になります。具体的な仕事内容はこちらです。
- 急な体調不良者の看護
- ケガの応急処置
- 救急搬送の判断・要請
大きな事故や病気がない限り、イベント会場の雰囲気を一緒に楽しめます。しかし現場での判断や、医療機材がない環境での処置が求められることがあるため、ある程度の臨床経験が必要となります。
心理カウンセラー
心理カウンセラーはメンタルケア専門の職種として、産業看護師(保健師)の他に、企業の医務室やカウンセリング室に配置されていることがあります。心理カウンセラーと看護師は患者さんの心の健康を支えるという面で似た職業であり、看護師経験を活かして働けるためおすすめです。具体的な仕事内容はこちらになります。
- 従業員の悩み相談
- 適応障害やうつ病の従業員のカウンセリング
- ハラスメントの対応
実は、心理カウンセラーになるために必須の資格はありません。しかし無資格の状態で就職するのはかなり厳しいため、臨床心理士や産業カウンセラーなどの通信で取得できる心理カウンセリング系の資格を取得が有効です。
フィールドナース
フィールドナースとは、医療機器メーカーに勤めて自社製品の宣伝やプロモーションを行う職業です。これまで看護師として実際に医療機器を使用してきた経験を活かしてアプローチできるため、現場での看護経験が非常に役立ちます。具体的な仕事内容はこちらです。
- 医療機関で自社製品の説明をする
- 医療機関で自社製品のデモンストレーションをする
- 自社製品の展示会の開催
医療機器メーカーは年収500万円以上の会社が多いため、夜勤をせずに年収アップを狙いたい看護師さんにもおすすめです。
企業で働く看護師のメリット7つ
企業で働く看護師には、主に以下7つのようなメリットがあります。
- 生活リズムが整いやすい
- ワークライフバランスを保ちやすい
- 肉体的な負担が少ない
- 医療ミスのプレッシャーがない
- 新しい世界を経験できる
- 大企業なら収入アップの可能性がある
- 看護師ならではの人間関係のストレスがない
それぞれ順番にみていきましょう。
生活リズムが整いやすい
企業で働く看護師の多くは日勤のみで、基本的に夜勤はありません。一般的な会社員と同じく、平日5日間働いて土日祝が休みのパターンが多いです。規則的な生活ができるため生活リズムが整いやすく、健康にも良い影響を与えるでしょう。
ワークライフバランスを保ちやすい
企業で働く看護師さんは、ワークライフバランスが保ちやすいです。病棟で働いていると患者さんの状態急変や緊急入院の受け入れ対応といったイレギュラーなことが起こって一気に忙しくなり、残業確定なんてことがよくあります。時間外の委員会や勉強会も当たり前に行われるため、プライベートの時間を確保するのは難しいでしょう。家族や友達との予定を優先させながら働きたいと考えている方にとっては、ほとんど定時で帰宅できるため企業の看護師がおすすめです。
肉体的な負担が少ない
企業で働く看護師は肉体的な負担が少ないです。仕事の内容の多くはデスクワークになります。職種や状況によってその場限りで忙しくなってテキパキ対応しなければいけない場面はあるかもしれませんが、あったとしても、並行して複数の患者さんに対応するような多重業務になることは少ないでしょう。また企業で働く場合、夜勤で長時間労働をしたり身体的な介助をしたりすることはほとんどないため、体力に自信がない方でも安心です。
医療ミスのプレッシャーがない
企業で働く看護師の多くは、医療ミスのプレッシャーが軽くなります。病院やクリニックと違って医療行為を行う機会がほとんどないからです。今までインシデント・アクデントを起こしてはならないプレッシャーや、いつか大きなミスをしてしまうのではないかという恐怖を抱えながら看護師をしてきたかもしれません。しかし企業の看護師は、患者さんに直接医療行為をする場面は少ないため、なかには医療ミスとは無縁になる方もいるでしょう。
新しい世界を経験できる
病院で働くのと企業で働くのとでは、同じ看護師の仕事でも全く違う世界を経験することになります。関わる人の年齢層、業務内容、職場の雰囲気など、全てのものが新鮮に感じられるでしょう。患者さんに直接看護ケアをして「ありがとう」と言われる機会は少なくなるかもしれませんが、企業の看護師ならではのやりがいを発見できるかもしれません。
大企業なら収入アップの可能性がある
大企業に転職すれば、収入がアップする可能性があります。もし病院で働いている看護師が収入を上げようとすれば、ほぼ確実に夜勤を増やすしかありません。夜勤なしで年収を上げたいのであれば美容系クリニックへの転職が考えられますが、募集人数が少ないのに人気があるため、倍率が高くかなりハードルは高いでしょう。その点大企業の看護師なら、夜勤なしで収入を上げられて、少ない負担で働き続けられます。また大企業の多くは福利厚生が整っているのもメリットのひとつです。
看護師ならではの人間関係のストレスがない
看護師には看護師ならではの人間関係があります。徐々に男性看護師が増えてきたとはいえ、まだまだ女性看護師の方が多いです。噂話や悪口がに広まっていたり、仲良しグループができていたりと、女性特有の人間関係に悩まされている方も多いでしょう。企業ではそもそも配置される看護師の人数が少ないため、人間関係のトラブルが起きにくくなります。医療現場のような緊迫した雰囲気もないため、ストレスフリーな職場が多いです。
企業で働く看護師のデメリット3つ
次に、企業で働く看護師のデメリットを紹介します。以下の2つです。
- 病院への復帰はハードルが高くなる
- 自信がなくても判断を求められる
それぞれ解説していきます。
病院への復帰はハードルが高くなる
企業での働き方になれると、病院勤務に戻るのは少しハードルが高く感じてしまう方もいます。病院に戻るとなると基本的な看護技術や医療行為など実践的なスキルが求められ、手技の感覚を取り戻せるか心配になるからです。バタついている現場の雰囲気に慣れるまでは、心身ともに緊張するでしょう。
収入が減る可能性がある
もし転職先の企業が特に大企業ではなければ、収入が減ってしまうかもしれません。そもそも看護師のお給料はそれほど低いわけではないからです。病棟勤務で夜勤をしていた方であれば、今までもらっていた夜勤手当がなくなります。いくら看護師とはいえ夜勤なしの一般企業に勤めるのであれば、これまでのお給料よりは減ってしまうでしょう。
自信がなくても判断を求められる
企業に配置されている看護師は、大体1〜2人と少人数です。よって何か決断をするときは自分の采配が結果を大きく左右します。相談できる看護師の同僚や先輩がそばにいることはほとんどないため、自分の知識と経験に頼るほかありません。自信がなかったとしても、専門職としての行動が求められるのです。
看護師が企業への転職を成功させる3つのコツ
看護師が企業への転職を成功させるコツはこちらの3つです。
- 看護師転職サイトを利用する
- パソコン作業に慣れておく
- 資格を取得しておく
それぞれ順番に解説していきます。
看護師転職サイトを利用する
企業の求人は募集が少ないため、自力で見つけるのはかなり困難です。看護師転職サイトなら企業の看護師募集を紹介してくれる上、職場の人間関係などの詳しい内部情報も教えてくれます。好条件で人気の非公開求人を紹介してもらえることもあるため、企業への転職を考えているのであれば看護師転職サイトの利用は非常に効果的です。
例えば次のような転職サイトの利用がおすすめですよ。
- ナース専科 転職(旧ナース人材バンク)
- マイナビ看護師
- レバウェル看護
- ナースではたらこ
他にも様々な看護師転職サイトがありますから、自分にぴったりの転職サイトを探してみてくださいね。
パソコン作業に慣れておく
企業看護師仕事でパソコンを使用する場面が非常に多いです。電子カルテを導入している病院で働いている看護師さんならある程度パソコン作業に慣れているかもしれませんが、企業で働く場合はパソコンがメインになります。特にWordやExcelが使えると早く仕事を覚えていけるでしょう。
資格を取得しておく
ビジネスマナー系の資格や、パソコン系の資格があると有利です。医療機関で働く分にはそれほど重視されないかもしれませんが、企業の看護師となると、医療の専門知識にプラスして、一般的なビジネススキルが求められる場合が多いです。
企業で看護師として自分らしく活躍しよう!
これまで本記事では、企業で働く看護師の職種やメリット・デメリット、企業への転職を成功させるコツを解説してきました。
企業の看護師求人はあまり募集が多くありませんが、プライベートも大切にしながら看護師を続けたい方に非常におすすめです。看護師転職サイトを活用すれば有利に転職を進められるため、ぜひ挑戦してみてください。