今も昔も変わらず、医療は私たちの生活に欠かせません。国家資格が必要になることが多い医療従事者の中でも、薬剤師は医薬品の知識に特化した薬のエキスパートです。
薬剤師とは6年間薬学科に通い、薬剤師国家試験に合格し、薬剤師免許を交付されてはじめて「薬剤師」と名乗ることができる、大変厳正な国家資格です。
だからこそ、「薬剤師は国家資格だし、医療従事者だから仕事に困らない」という考えが一部の人々の間で根付いているのですが、これは今や間違った考えになりつつあります。
つまり、もう「薬剤師=転職が簡単」な時代ではないのです。
医療従事者として重宝される薬剤師とはいえ、転職のうえで押さえておきたいポイントを外せば転職に苦戦するのは必至です。
この記事では、売手市場から買手市場に変わってきた薬剤師業界で転職を成功させるポイントをご紹介していきます。
転職を決めた理由(退職理由)に絡めて、職場ごとの長所・短所や転職先の探し方まで詳しくお伝えしますので、希望の転職を叶える一助にしていただけましたら幸いです。
薬剤師の転職が厳しくなっているのは本当?求人倍率から市場を調査!
冒頭でお伝えしたように、今は「薬剤師=転職が簡単」な時代ではなくなっています。
医療従事者だから大丈夫、国家資格だから大丈夫という従来の考えを捨てたほうが、希望条件での転職に結び付く可能性が高いでしょう。
まずは、薬剤師の転職が厳しくなっている現実の根拠と理由をご説明します。転職の難しさについて少しでも知見を広げ、転職活動の糧にしてくださいね。
令和4年の薬剤師の求人倍率は0.95倍!売り手市場になりつつある事実
厚生労働省は一般職業情報として、公共職業安定所(ハローワーク)における求人などの情報を毎月まとめて発表しています。
職業別の統計も発表されているのですが、残念ながら薬剤師のみの有効求人倍率は発表されていません。薬剤師は「医師・薬剤師など」というカテゴリに分類されています。
厚生労働省が発表した令和5年1月分の医師・薬剤師などの有効求人倍率は「2.28倍」でした。
令和5年1月の全体における有効求人倍率は「1.35倍」ですので、全体と比べても非常に高い水準のように感じます。
しかしながら、前述したように、このデータは「医師・薬剤師など」で分類されたもので薬剤師のみのデータではありません。
厚生労働省の発表ではないのですが、ここで薬剤師向け転職サイトが算出した令和4年度の求人倍率を見ていきましょう。
セルワーク薬剤師の求人を基に算出したデータでは、薬剤師の求人倍率は全国平均で0.95倍でした。
引用元:セルワーク薬剤師「【2022年最新版】薬剤師の転職は厳しい?求人倍率を都道府県別に公開」より
このデータからわかるように、「転職したい薬剤師の数に比べて、薬剤師向けの求人の数が少ない」のです。
厚生労働省のデータではないため、公共職業安定所での薬剤師のみの有効求人倍率はもっと高いかもしれません。
しかし、買い手市場ではなく、売り手市場になっていると何度もお伝えしていることには、薬剤師向け転職サイトが提示している上記データ以外にもいくつか理由があるのです。
新型コロナウイルス感染症の流行により、薬剤師の活躍の場が減少
2020年、日本で新型コロナウイルスの流行が始まりました。新型コロナウイルスの流行はさまざまな業界に大きな影響をもたらし、5類感染症に移行した今もなおその尾を引いています。
なかでも、医療業界への影響は尋常ではありませんでした。
医療従事者の過労が社会問題になった反面、薬剤師業界では「調剤薬局の倒産」が大きな衝撃を与えました。きっと記憶に新しい方もいるでしょう。
新型コロナウイルス感染症が流行した影響から、糖尿病や高血圧症などの慢性疾患のある患者、比較的症状が軽い患者は病院に行かなくなりました。
つまり、「受診控え」が起こったのです。
「医療機関が薬を処方する機会が減る=薬剤師の仕事が減る」ことにより、調剤薬局の経営は非常に厳しいものとなりました。
日本経済新聞によると、2021年度の調剤薬局の倒産件数は23件でした。
薬剤師の働く場が減っているにもかかわらず、薬剤師の数は減っていません。
薬剤師国家試験の合格者は、毎年約1万人前後で推移しています。
薬剤師国家試験合格者数≒薬剤師免許保持者数と考えると、毎年1万人弱の薬剤師が増えていることになります。
この結果、限られたパイの取り合いが発生し、薬剤師業界は売り手市場に傾きつつあるのです。
- 新型コロナウイルス感染症の流行による「受診控え」が発生
- 受診控えの結果、「調剤薬局の倒産」が相次ぐ
- 薬剤師国家試験合格者は毎年およそ1万人
現在は物価や光熱費が上昇し、家計をひっ迫する状況が続いています。
新型コロナウイルスが5類感染症に移行したとはいえ、社会全体が貧しくなっている今、積極的に医療機関を受診する方が激増するとは考えにくいです。
今後も限られたパイの取り合いが続くことを念頭に、転職活動に臨んだほうが得策と言えるでしょう。
薬剤師が転職を成功させるために押さえておくべき4つのポイント
少しでも転職活動への心づもりはしていただけたでしょうか。ここからは、本題である「薬剤師が転職を成功させるために押さえておくべきポイント」についてお伝えしていきます。
薬剤師が転職を成功させるポイントは以下の通りです。
- 退職理由から次の働き方を考える
- 求人の探し方を間違えない
- 求人数の多い職場を狙う
- 希望条件がある場合は、交渉を前提に転職活動を行う
これら4つのポイントについて、さらに詳しく解説していきます。
薬剤師が転職する理由とおすすめの職場をわかりやすくご紹介!
転職するにあたって、転職理由はしっかり分析しておかなくてはなりません。
次の職場でもまた同じことが起こってしまうと、転職を繰り返す羽目になるからです。
薬剤師のよくある転職理由と、その退職理由に絡めたおすすめの職場・働き方を表にまとめました。以下をご覧ください。
退職理由(辞めたい理由) | おすすめの職場・働き方 |
---|---|
・給料が安い ・残業代が少ない |
・役職付の調剤薬局などに転職する ・ドラッグストアに転職する ・給与の交渉をしてくれる転職エージェントサービスを利用する |
・職場の人間関係がうまくいかない ・職場でパワハラ、モラハラなどの嫌な目に遭っている |
・複数店舗展開している調剤薬局やドラッグストアへ転職する ・紹介予定派遣の派遣スタッフとして働く ・薬剤師向けのリモートワーク求人を探す |
・残業が多い ・なかなか休めない ・時短勤務がしたい |
・病棟のある病院など、代わりのスタッフが多い職場に転職する ・派遣スタッフとして働く ・パートとして働く |
・スキルアップがしたい ・他の科を経験してみたい |
・異動の多い病棟で働く ・派遣スタッフとしてさまざまな病院で働く |
表の退職理由の中に、ご自身の退職理由と同じ理由、もしくは似た理由はあったでしょうか。
ここからはよくある退職理由とおすすめの職場について、もう少しだけ補足を加えていきますね。
店舗数増加中!ドラッグストアは病院・調剤薬局よりも給料が高い
近年、ドラッグストアの店舗数は着実に増加し続けています。
その主な理由は、
- 食品の取り扱い強化で調剤報酬改定の影響を受けにくい
- 薬、日用品、食品という生活必需品がワンストップで手に入る
というもので、調剤薬局とは異なり、地域で暮らす人々の生活を包括的にサポートする役割を担っているため、需要が着々と伸びているのです。
店舗の増加に伴い、調剤医薬品の販売額やOTC医薬品の販売額も右肩上がりになっています。
年度 | 店舗数 | 調剤医薬品販売額(百万円) | OTC医薬品販売額(百万円) |
---|---|---|---|
2018年 | 15,660 | 389,421 | 880,698 |
2019年 | 16,422 | 552,460 | 900,222 |
2020年 | 17,000 | 595,498 | 890,608 |
2021年 | 17,622 | 629,166 | 868,192 |
2022年 | 18,429 | 719,248 | 910,403 |
薬剤師の皆様も当然ご存知の通り、調剤医薬品やOTC医薬品は薬剤師がいなければ販売することができません。
つまり、ドラッグストアの店舗数が増加すればするほど、薬剤師の求人の増加につながっていくのです。
求人数が増えていることはもちろん、給与が高いのもドラッグストアの魅力です。
ドラッグストアで働く薬剤師の平均年収は601万円でした。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば薬剤師全体の平均年収は561.7万円なので、40万円ほど上回る結果となりました。
引用元:薬キャリ 職場ナビ「ドラッグストア薬剤師の業務内容と年収」より
また、今は処方箋をネットで送信しドラッグストアで薬を受け取る「処方箋ネット受付サービス」も広がりつつあります。ドラッグストア勤務の薬剤師の需要は、今後も高まり続けるでしょう。
給与の安さや残業代の少なさを理由に転職を考えている方は、ドラッグストアを次の転職先の候補に加えてみるのはいかがでしょうか。
- 管理薬剤師や店長などの管理職に就きやすい
- 残業時間は10時間以上20時間未満が多い
- 利用客の健康維持支援ができる
- 店舗によっては深夜帯勤務がある場合も
しっかり働いてたくさん稼ぎたい薬剤師にぴったりの職場ですよ。
紹介予定派遣なら仕事内容や職場の雰囲気がわかる
職場の人間関係に悩み続けた結果、転職を決意した薬剤師も少なくないでしょう。
職場の雰囲気や人間関係は、実際に入職してみなければわからない部分が大きいですよね。
何か問題のある職場こそ、職場見学や面接などでどれだけ訊いたとしても、取り繕った答えしか返ってこないものです。
うまく見極められなければ、「転職に失敗した……」と後悔する結果になりかねません。
転職において人間関係を重視している薬剤師におすすめしたいのが、「紹介予定派遣」という働き方です。
紹介予定派遣とは、正社員雇用の促進を目的に、2000年から始まった制度です。
どういった制度なのかを簡単に説明すると、
- まずは派遣スタッフとして一定期間働く
- 期間は一般的に3ヶ月、最長6ヶ月
- 派遣スタッフと派遣先の双方が合意すれば、正社員or契約社員として直接雇用される
という直接雇用を促す内容の制度で、働く側にもさまざまなメリットがあります。
- 業務内容に自分の適性が合っているか確かめられる
- 職場の雰囲気、職場の人間関係を掴みやすい
- 未経験や経験が浅い方でも受け入れてもらいやすい
このようなメリットから、業務内容を体感したい方や職場の雰囲気を掴みたい方に特におすすめの働き方なのです。
派遣という働き方にあまり良い印象を抱いていない方も、きっと少なくないでしょう。派遣とはいえ双方合意のもと直接雇用に繋がる働き方ですので、安心して働くことができます。
職場に関して不安を抱いたまま入職するのは、非常に大きな勇気が必要です。
まずは派遣スタッフとして働くことができる紹介予定派遣という働き方で、業務内容や職場の雰囲気を体感してみる選択肢も視野に入れてみてくださいね。
自分の代わりが多い職場なら勤務時間に融通が利きやすい
休みが少なかったり、有給休暇を取りづらかったり……そういった理由から退職を考えている方は、転職活動では「休みを取れる職場」を見極めなければいけないですよね。
このような悩みを抱えている方もすでにご存知かと思いますが、「休みを取れる職場」の条件には必ず「自分の代わりが多い職場」が含まれています。
- 自分の代わりを務めてくれる同僚が多い
- 自分の業務をお願いできる同僚がいる
小さな調剤薬局、正社員薬剤師が少ないドラッグストアなどは、スタッフの少なさから休みを取りづらい傾向にあります。
面接などで採用担当に質問できる際には、代わりのスタッフの多さはしっかり確認しておいたほうが得策でしょう。
もちろん、職場自体が暇なところも休みやすいのですが、給料面に不安のある場合が多いです。求人票の内容を鵜呑みにするのではなく、採用担当への確認を怠らないようにしてくださいね。
スキルアップなら派遣でさまざまな職場に行くのも手
自身の今後のキャリアについて考えたとき、
- もっとスキルアップがしたい
- 他の科を経験してみたい
- 他の病院や調剤薬局で働きたい
と、これから必要な経験のために転職を決意した薬剤師も、きっと多いことでしょう。
そんな方におすすめしたい働き方が、「派遣薬剤師」です。
薬剤師の場合、1日だけの単発派遣や中長期的な一般的な派遣、どちらも選ぶことが可能です。
さまざまな病院や調剤薬局、企業で働くことができるため、スキルアップに繋がります。短期間での転職を繰り返したくない方にはぴったりの働き方です。
ただ、1点注意していただきたいことがあります。
「派遣として働いていた」という経歴が残ることは覚えておいたほうがいいです。
正社員で働きたいと考えて転職活動を始めても、採用担当などからは間違いなく「今まで派遣会社で派遣スタッフとして働いていた」という捉え方をされます。
正社員登用にあたって、前職が派遣のイメージは正直あまりよくありません。
どうして派遣という働き方を選んだのか、その理由にきちんと筋が通っているなら全く問題はないでしょう。
派遣先でどんな経験を積んだのかをしっかり説明できるのであれば、さまざまな職場で働くことができる「派遣」という働き方は、とてもおすすめですよ。
急がば回れ!自分に合った転職先の探し方を見極めて!
転職を成功させるうえで意外と盲点になりやすいのが、転職先の探し方です。
たいした理由もなく「とりあえずハローワークに行こうかな」「CMで有名な転職サイトを使ってみようかな」と闇雲に動き出すのは大きな間違いです。
自分に合った雇用サービスを利用しなければ、自分の希望条件を満たす求人が見つかる可能性が低くなってしまいます。
時間を無駄にしないためにも、転職を失敗させないためにも、まずは自分に合った求人の探し方を見つけましょう。
一般的な雇用サービスや求人の見つけ方について、メリットとデメリットを一覧にまとめました。以下をご覧ください。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ハローワーク | ・求人数が多い ・窓口が全国各地にあって利用しやすい ・地方はハローワークの求人が充実している場合が多い |
・窓口のスタッフが親身ではない(就労相談には不向き) ・どんな事業所でも無料で掲載できるため、ブラック企業の求人も多数掲載されている |
一般転職サイト | ・製薬会社、企業勤務の求人が多い ・薬剤師を辞めて違う仕事に就きたい方におすすめ ・採用に積極的な企業が多い |
・薬剤師向けの求人が少ない ・病院や調剤薬局の求人が少ない ・薬剤師の転職のスペシャリストがいないため、転職関連のサービスに物足りなさを感じる場合がある |
薬剤師向け転職サイト | ・薬剤師向けの求人しかないので希望条件が叶いやすい ・求人検索の項目が詳細で希望求人を調べやすい ・転職未経験の薬剤師でも安心して転職活動ができる |
・希望条件が多い場合1社だけの利用では決まりにくいため、薬剤師向け転職サイトを複数社利用する必要がある ・転職サイトからの連絡が頻回でうっとうしく感じる利用者も |
知り合いなどからの紹介(人脈の利用) | ・職場の雰囲気など、嘘偽りない情報を聞き出せる ・給料などの勤務条件に融通が利く場合が多い |
・職場が合わなかったとき、辞めたくなったときに、退職しづらい ・就労の有無にあたって紹介者と揉めるケースも ・知り合いという立場を利用して、悪質な職場を紹介される場合も少なくない |
メリットとデメリットから総合的に判断すると、薬剤師におすすめしたい求人の見つけ方は「薬剤師向け転職サイトを利用する方法」です。
表の内容と一部重複しますが、薬剤師向け転職サイトのメリットは、
- 薬剤師向けの求人しかない
- 薬剤師転職業界に精通したスタッフが対応してくれる
- 薬剤師の希望条件を満たす求人が多い
- 転職初心者の20代・30代にも、勤務条件を変えたい40代・50代にもおすすめ
といったものです。転職を成功させたい薬剤師には、うれしいメリットがいっぱいですよね。
また、薬剤師向け転職サイトのほとんどで「転職エージェントサービス」の利用ができます。
担当キャリアアドバイザーとの二人三脚で就職活動を行う転職エージェントサービスは、利用者の転職活動の効率を格段にアップさせるため大人気のサービスです。
最後に、転職業界で主流になっている「転職エージェントサービス」について、もう少し詳しくご説明していきますね。
使わないと損!転職エージェントサービスで転職活動の効率UP!
先ほどもお伝えしましたが、転職エージェントサービスは今や転職業界では一般的なサービスのひとつになっています。
どうしてこんなに人気なのかというと、以下のようなサービスが受けられるからです。
- 利用者には専任のキャリアアドバイザーが就き、一緒に転職活動を進めていく二人三脚型
- キャリアアドバイザーとの連絡はメールやSNSでのやり取りがほとんどで、隙間時間を活用して返信ができる
- 自分の希望に沿った求人を紹介してくれる
- 履歴書や職務経歴書などの応募書類の添削をしてくれる
- 応募書類の提出、面接選考の日程調整など、面倒な事務作業を代行してくれる
- 転職活動での不安や悩みなども気軽に相談できる
求職者がつまずきやすいポイントでサポートを受けられるため、転職に失敗する確率を大幅に下げることができます。
しかも、これらのサービスをすべて無料で受けることができるのです。むしろ利用しないと損ですよね。
転職エージェントサービスが利用できる薬剤師向け転職サイトのうち、有名なサイト・人気の高いサイト・利用者の多いサイトは、以下の通りです。
- ファーマキャリア
- ファルマスタッフ
- マイナビ薬剤師
- 薬キャリAGENT
- ヤクジョブ
- ヤクマッチ
- リクナビ薬剤師
薬剤師向け転職サイトの利用を検討している方には、ぜひこの7社の中から選ぶことをおすすめします。
また、短期間で希望条件での転職を実現させたい場合、上記転職サイトを2~3社併用することをおすすめします。
ここからは転職エージェントサービスのメリットとデメリットについて、もう少しだけ補足してご説明します。サービスの利用を迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
メリット1:面倒な事務手続きは全部お任せ!どんどん応募できる
転職活動の中でも特に面倒な作業といえば、
- 履歴書を書くこと
- 職務経歴書を書くこと
- 応募書類を応募先に郵送すること
- 応募先との面接日時の調整
このあたりではないでしょうか。とりわけ、履歴書や職務経歴書はいまだに手書きでの提出を求められることも多く、「書き損じ=修正できない=最初から書き直し」でとても面倒くさいですよね。
しかし転職サイトを利用した場合、応募書類は転職サイトのフォーマットに合わせる必要があります。
パソコンなどで入力して作成する方式がほとんどのため、手書きで書くことはまずありません。
つまり、一度作成してしまえば、ある程度は使い回しが可能なのです。
そのうえ、転職エージェントサービスを利用するメリットのひとつに、「履歴書や職務経歴書の添削」というサポートがあります。
利用者が書いた履歴書や職務経歴書を添削し、採用担当者に刺さる書類に修正してくれるのです。応募書類の作成がおっくう、という方には絶対に利用していただきたいサービスです。
また、応募書類の添削だけではなく、応募書類の送付や応募先との面接日時の調整も、すべてキャリアアドバイザーが代行してくれます。
面倒な事務作業は全部お任せ!だからこそたくさんの職場に応募できますし、隙間時間を活用して転職活動を行うことができるのです。
メリット2:困ったことは何でも相談!ひとりじゃないから頑張れる
転職活動は孤独ですよね。書類選考で落ちたり、面接で落ちたり。楽しいことのほうが少ないからこそ、ネガティブな感情に振り回されてしまいがちです。
いつでも気軽に相談できるひとがいるならいいのですが、そうでない場合は不安や焦りを自分の中に抱え込むほかなく、転職活動が余計に苦しくなってしまいます。
転職エージェントサービスは、専任のキャリアアドバイザーのサポートのもと転職活動を行うため、孤独を感じる場面が少ないです。
というのも、応募の手続きも選考結果の伝達もキャリアアドバイザーを介して行われるため、自分ひとりで動くことがそもそもあまりないのです。
- 自分ひとりだと腰が重いけれど、誰かの目があるなら何とか頑張れる
- 気兼ねなく不安や焦りを吐露できる相手がほしい
- 転職活動について色々と相談に乗ってほしい
上記が当てはまる方にこそ、転職エージェントサービスはおすすめです。
自分の味方が絶対にひとりいるという心強さは、何にも代えがたいものです。
親身なキャリアアドバイザーのサポートのもと、ぜひとも転職を成功させてほしいと思います。
デメリット:強引なキャリアアドバイザーに注意して
転職エージェントサービスの利用にあたって、どうしても知っておいてほしいことがあります。
それは、「なかには悪質なキャリアアドバイザーもいる」ということです。
各社キャリアアドバイザーの質はバラバラです。
これは薬剤師向け転職サイトに限らず、どの転職サイトにも当てはまることです。
きめ細やかなサービスを提供してくれる優秀なキャリアアドバイザーもいれば、条件の悪い求人や希望条件からかけ離れた求人ばかりをすすめてくる悪質なキャリアアドバイザーもいます。
また、利用者との性格的な相性もありますので、一概に「この転職サイトのキャリアアドバイザーは必ず親身になってくれる」とは言えないのです。
ですから、こればかりは利用者が気をつけるしかありません。
求めていない求人や気乗りしない職場への応募をすすめられたら、きっぱりと断るようにしてください。
どうしても自分と合わないキャリアアドバイザーに当たってしまった場合は、キャリアアドバイザーの変更を申し出るなどの行動に移しましょう。
ただでさえ転職活動はストレスになります。性格の合わないキャリアアドバイザーという余計なストレスを増やすのは得策ではありませんから、我慢せずに変更を申し出るようにしてくださいね。
薬剤師の転職が厳しいのは今だけかもしれない
薬剤師が転職を成功させるポイントをお伝えしました。少しでも転職活動の参考になりましたら幸いです。
以前に比べて、薬剤師の転職は厳しくなっています。
しかし、新型コロナウイルスの影響が非常に大きいこともあり、数年後の転職状況がどうなっているかはわかりません。
薬剤師を必要とするドラッグストアの店舗数がもっと増えるかもしれませんし、処方箋ネット受付サービスの普及により、薬剤師の働き方がもっと変わるかもしれません。
どうしても今すぐ転職したい!という方でないのであれば、「もうしばらく様子を見る」という選択肢もあります。
暇つぶしに求人を探し、希望条件にぴったりの求人に出会ったら動き出すという、非常にゆったりとした転職活動の方法もおすすめです。
転職活動は時間もかかるうえ大変ですが、ぜひ後悔のない転職をしてくださいね。